ブックタイトルsatoh

ページ
184/1034

このページは satoh の電子ブックに掲載されている184ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

satoh

ない点がある。第二に、これまでの前提条件、基本構造がもはやあてはまらないとLて、新しい判断を下すことになるが、それが絶対に正しいという保証はない。解答に確実性を与えようとする考えも、プロジェクトの緊急性とは相対する性格をもつ。これは、特に核エネルギーの場合などがあてはまろう。第三に、ぺッチェイのいうように世界共同体の至上命題が、「1世界的政策・戦略の発動、3世界を統治可能の状態にすること、3世界を19)統治する技術を学ぶこと-それには自らを治めることを学ぶのが前提となる」であるならば、世界モデルプロジェクトは、せいぜい1と、(塾の半ば程度までしか組み込めないと思われる点である。すなわち、統合化された世界は、管理社会化を避けるべきか否か。人間の生物学的エントロピーの枯渇はいかにしたら防げるか、といった命題にも取り組まねばならない。居住を地球に限定すれば、いつかはゼロ成長の時代が来る。これまでの人類の歴史上で、鎖国中の日本の徳川時代がややそれに近いとの意見があるが、文化に関しては江戸中期以降、定型化、類型化が進み、創造的な作品は減少したとの見解もある。時代によって異なるとはいえ、現時点での統合化された社会に対する見解をまとめる必要があろう。以上の点は、世界モデルにおける緊急性と相いれない性格をもち、世界モデルと並行した試みが必要であると思われる。この点に関しても社会科学としての経済学は大きな役割を果たすべきであろう。そして、まさに国連大学こそその中核となるにふさわしい機関である。第3節世界モデル1972年にローマ・クラブの委託を受けたMITモデルプロジェクトが発表されて以来、かなりの数の世界モデルが開発された。世界モデルの特徴は、前述のドップァ-の四つの命題をおおむね含んでいると思われる点である。この点を検討するために、いくつかのモデルを取り上げることにする。まず、第一にMITモデルからはじめるO世界が複雑なメカニズムによって結ばれているのではないかという考えは以前からあったが、それにともかくも具体的な表現を与えたのは、このモデルがはじめてである。フォレスターが開発したシステムズ・ダイナミッ182注19)A.べッチェイ『未来のための100ぺ-ジ』、P,157