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概要

satoh

第2回佳作グローバルな広がりに気づいていたといえよう。しかし、世界銀行等による努力にもかかわらず、その後、事態は好転したとはいえない。1981年8月9日に発表された「81年世界石油輸入中所得国(79年の一人あたりGNPが370ドル超) 4 .3%、先進工業国2 .8%にとどまった場合、絶対的貧困者は2000年にはさらに1億人増え8億5千万人に達するとされているoまた、寿命、保健、栄養、住宅、教育、輸送.コミュニケーションといった社会諸指標で「南」は、悲惨なまでの停滞を示している。特にアフリカや南アジアでは75年において平均余命が40才に満たず、識字率が10%以下の国々が存在しているのである。80年に発表された国際開発独立委員会(いわゆるプラント委員会)報告では、長期的な目標とともに、緊急計画として85年までに次の点を諸要素とする行動計画を実施する必要があるとされた。すなわち、「1開発途上国-の大規模資金移転(塾国際エネルギー戦略5)3世界食糧計画4国際経済体制の主たる改革に着手すること」の四点である。どの点も事態が緊迫Lていると同時に、いかに世界の問題が複雑に結びついているかを示している.これらの問題複合体に対処するためには従来の個々の政策のみでは不充分であり、全く新しいアプローチが必要であるとの認識が、次第に定着しつつある。それはスジャトキコがいう「複合領域的研究」であり、ドップ7-のいう「全体論的展望と学際的なシステム的接近」であり、ローマ・クラブの提唱する「世界モデル」なのである。以上の認識にとにかくも具体的な形を与えたのは、1972年に発表されたローマ・クラブ第1レポート『成長の限界』におけるメドゥズを中心とするMITチームによるモデルである。また、この後いくつかの同様な試みがなされている。これらについての具体的な検討は、第2章第3節で行なうこととする。第2章危機の分析第1節連関化への対処A国際通貨体制の改革往5)国際開発問題独立委員会(森監訳)『南と北生存のための政略-プラント委員会報告-』日本経済新聞社、昭55 173