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概要

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「飢餓問題と日本の役割」第1回最優秀賞田尾正子要約1972年に起った深刻な食糧危機は、発展途上国における「緑の革命」の成功によって楽観視されてきた食糧問題に対する我々の関心や姿勢を一変させた。しかし、現在では、食糧危機から脱せられたという意識が先進諸国の中で再び一般となっている。飢餓問題は今も発展途上国の人々を悩まし、人間の活動に不可欠な熱量(カロリー)、蛋白質が共に不足しているというのが現状であり、その数は約4億6000万人という調査結果も出ている。また、今世紀末には20億に達すると推定される人口増加を考えれば、飢餓問題は、飽食の限りを尽くしている我々も無関心ですまされる問題ではない。飢餓にある発展途上国の援助動機には、米ソなどの社会、経済圏拡大のために行われた政治的理由や、日本・西独などの輸出市場や原材料の確保のためという経済的援助理由、さらに、人道的理由による援助があるが、従来までの政治的経済的理由による自国本位の援助から脱皮し、生命の尊厳を第一義とした人道的理由による援助が望まれる。日本はこれまで,国益に基づいた援助しか行っていなかったが、今後、物心両面の惜しみない援助を図るべきである。その具体策として、(1)マス・コミによる国内世論の高揚、さらには、全国的規模にまで達した段階で、国際世論にまで発展させ、世界中の人々の関心や問題意識を飢餓問題に向けさせるという意識革命の必要性15