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概要

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第2回佳作「世界共同体-の道」一国連大学の研究課題-高橋靖要約本稿は、世界経済の変化に対する国連大学の取り組み方を、主として経済学の立場から考察したものである。全体は3章に分かれている。第1章「世界経済の現状」では、現在の危機的現象について記述と問題提起がなされる。第1節で国際通貨と多国籍企業を例にとり、状況が説明された後、第2節でそれを解決するための理論の中核となるべき経済学の不振について述べる。世界の統合化がさまざまの局面で現われているにもかかわらず、組織、体制、理念がそれに対応できていないのではないかという問題提起が中心であるOそして、第3節において現在の危機は「問題複合体」という複雑な問題群の集合としてとらえるべきではないかという展望が述べられる。第2章「危機の分析」では第1章を受ける形で世界的危機の原因、構造等が検討される。国連大学が研究すべき課題としては、大きく分けて三つの方向が示されよう。第1節では、国際通貨に関しては将来の通貨体制の検討を通じて通貨統合および経済統合の可能性がさぐられる.特にECの経過に関連して、地域圏という概念に注目がなされている0多国籍企業に関しては、全面肯定論と全面否定論を退けた上で条件付肯定論が述べられる。南北間の資本移転、技術移転に多国籍企業は貢献しうるとした上で、その活動を管理する法律、制度、組織等の必要性を提唱しているのである。また、国際通貨および多国籍企業ともに開通して国際社会の意思の問題が取りあげられる。ともに改革の即効薬はな165