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概要

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第2回優秀賞出している。これ等も何らかの意味で技術移転と係わっているが、工業を中心とする産業技術に対象をしぼった国際的な技術移転センターの構想を細部までもつものは、まだこの地域に生まれていないといっていいだろう。ところで技術移転が成功するためには、一般に以下の条件が満たされていなければならない。(1)技術の供給および需要があること。(2)技術移転事業が整備され、その機能が十分に発揮されていること.(引技術の評価、加工、技術移転の指導などの支援機能が十分なこと0(4)技術情報が十分に流通していること。(5)技術移転のためのシステムが国際的な広がりをもち、移転と研究開発を有機的に結合した地域の科学技術政策が確立していること。これ等についてアジア地域をみるとき、まず(1)の点では、日本や、いくつかの新興工業国が技術の供給を可能とするだろうし、また現在の発達した情報網を利用して、域外の技術を域内にあっせん、導入することも容易だろう。また新興工業国は、より高度な産業構造を実現するため、技術移転の需要をひき宙こすであろう。さらにそれ以外の発展途上国が、開発に必要な技術の移転を望んでいるのは改めて述べるまでもない.ところで(部の技術移転事業は、域内で整備されているとはとうていいえない。ここに「アジア・技術移転センター」を設置すべきもっとも大きな理由がある。現在のところ域内の技術移転は、私企業が独自な活動として行なっているものの他は、各国ごとの移転機関、例えば日本の国際協力事業団のようなところを通じて行なわれているにすぎない。そLて市場機構を頼った私企業による技術移転は、各国の技術需要にきめ細かく対応し得ているとは決していえないであろう。その意味で「アジア・技術移転センター」に移転事業を行なう機関としての期待がかけられるのである。(引~(5)についても同様、現在この条件が域内で満たされてはいない。従って「アジア・技術移転センター」に求められる機能と159