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概要

satoh

ずれも人間の生活を豊かにする上で欠かせない。移転が必要なのはこれ等広範な技術にわたるのであるが、国連大学とこうした技術との係わりを考えるに際して、私は一例として工業を中心とした産業技術に対象をしぼって、以下、論を続けたいと思う。そこでまず、この「アジア・技術移転センター」について、私自身がそれをどう構想するかのあらましを示し、提案の一助とする。6- 1背景国際経済はマクロにみれば地球的な規模での相互依存性をもっているが、一方でECやコメコンに代表される、地域経済ブロック内で各国が結束しようという動きも顕著である。地理的・政治的、あるいは文化的に近い関係にある地域の諸国が、こうしたブロック経済をまず志向するのはある意味で当然のことであるし、経済の効率を達成する上で評価すべき要素も多いと思われる。重要なのは、そのような地域のブロック経済が、排他性や閉鎖的な性向をもたないようにすることだOアジアという地域は地理的に近接した諸国によって構成されているが、現在のところここに経済上のブロックができているとは認められないo域内の各国は比較的強い経済上のきずなで結ばれてはいても.それは域外を決して排除するものではないだろうOこのようなアジア地域に、技術移転センターを置くことは、域内全体の経済を向上させ、さらに世界経済に対してもプラスの効用をもたらすと思われる。これはUNCTADやUNIDO(国連工業開発機関)が目論んでいる地域の技術移転センターや技術情報銀行といわれるものの理念に一致しよう。アジアにおける国際機関としてはアジア開発銀行がすでにあり、金融面で途上国の開発に大きな支えとなっているが、ほかに現在提案されているアジアあるいはそれを含んだ地域機関には、沖縄南北センター、環太平洋経済圏の機構に関しての技術協力総合センターなどがあるほか、アジア科学協力連合やアジア分子生物学機構などが実現に向かって歩み158