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概要

satoh

第2回優秀賞セスないしその使用能力を持たないことこそ、開発途上国の主要な弱点である。技術の取得は、成長それ自体のためだけでなく、成長のための能力を備える上でも死活的な重要性を持つ」と指摘しているのだ。(P.250)また一方で技術の輸出が、今日多くの国の重要な経済活動であることも疑いない。昨今の経済危機は、その技術貿易すらも縮小させる傾向にあることを注意したい.1国連大学の研究テーマ1- 1過去の技術移転の見直しを技術移転を開発のための戦略としてとらえたのは、国連についてみても1960年代にさかのぼる。以来私たちは二十年に及ぶ歴史をもつが、1980年代の「第三次国連開発の10年」に入った現在、もっとも必要なことは、この技術移転の歴史と経過を虚心に反省してみることではなかろうか。日本の援助でアフリカのある国に十数年前設けられた職業訓練センターは、設立後の維持管理がうまくゆかなくて、現在は人の影さえなく、荒廃にまかされているという.あるいは伝統的な農業基盤に立つ国で性急な工業化に走った余り、その先端技術を導入したが根付かずに失敗した例もたびたび伝えられる。こうした過去の技術移転例をできるだけ多く抽出し、また成果は評価し、失敗例についてはその原因を明らかにすること、これ等は技術移転を今後効率的に進める上で欠かせない作業であろうO国連大学が現在「人間と社会の開発」プログラムの中で「技術の移転・変容・開発-日本の経験」と題したすぐれた研究を行なっていると伝えられることは心強い。これをさらにすすめて、国連の機関が関与した技術移転プロジェクトのそれぞれを、できるだけ詳細に分析、評価することを私はまず第-に提案したい。1- 2援助による技術移転の理念を構築すること151