ブックタイトルsatoh

ページ
144/1034

このページは satoh の電子ブックに掲載されている144ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

satoh

は、正に先進諸E)と開発途上国との間に横たわる政治・経済・社会・文化の各分野にわたる領域を対象とした複合領域的アプローチを必要とするものである。又、保護貿易主義の影響の鉱がりをカバーするにはグローバルな規模の研究ネットワークの展開が要請されてくる。これらの点から、国連大学憲章にうたわれているように、学者・研究者の国際的共同体として、学者・研究者から成るネットワークを利用し、国家や文化の境界を超越し自由に交流しあい、一体となって世界的規模の緊急問題に取り組むことの出来る場は、現在、国連大学しか存在していない。一方、世界貿易に関適して多くの国際関連機関が、それぞれの立場からその自由化、円滑化に精力的な活動を行なっている。各機関はそれぞれの分野で成果を挙げているが、多くの場合、対症療法的アプローチであり、解決のためのプログラムはシナリオの段階であるoそれを具体化Lていくには各種領域からのデータやモデル分析を必要としているO先進諸国の保護貿易主義が台頭する原因としてこれまでに各国の産業構造調整政策の不調による国内圧力要因を挙げてきた。その意味で今後保護貿易主義に対する複合領域的研究の中で具体化すべき対象として以下のOECDの指摘がある。OECDは、1970年代に多くの先進諸国がその経済構造の変革を根本的に必要としていたにも拘らず、むしろ対外的な保護措置や非効率部門の温存が行なわれてきたと指摘し、「積極的調整政策PositiveAdjustmentPolicies」と言われる改善策を1978年6月の第17回閣僚理事会にて採択し各国の政策レビューを1981年迄に行なうこととした.OECDの提起したこの政策の内容は、『需要構造、技術変化、相対価格、比較優位等の変化に対して補助金や保護貿易的措置により、既存の雇用構造、産業構造の維持、温存を図る消極的で防禦的な攻撃と異なり、これらの条件変化に対して市場メカニズムを最大限生かしつつ、積極的に資源配分の変動を促進していこうとするものである。その際、競争の促進、労働、資本の流動性の向上等によって市場機構の力を高めてこれを行ない政策6)面での補完は出来るだけ一時的かつ前向きのものに限定することとしている』。142注6)昭和55年版世界経済自書経済企画庁編212ページ