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概要

satoh

そLて、この土地改革は地主階級を不幸-導くものではない.確かに土地改革は短期的にみれば、地主階横の利益を減らすものかもしれないが、長期的にみると、社会が健全な状態を保っていなければ、彼等自身も生活できなくなることを彼等に知ってもらう必要があろう。これと同じことを全地球的レベルで捉えたものが、「宇宙船地球号」の相互依存関係であろう。この章の初めに、私達が発展途上国の経済発展に協力する理由で相互依存というものを第-の理由にはしたくないことを述べた。しかし現実では、地球という宇宙船に乗り合わせた乗組員が、互いに譲り合わなければ、この宇宙船の中で共存することは不可能なのである。これと同じことが、発展途上国にも言えるであろう。数年後には、発展途上国に於いて、その結果が現われてくるのではあるまいか。地主階級の生活に行きづまりがみえてくるのではあるまいか。私は、ここで、このように相互依存というものを説明したが、発展途上国に協力する理由の第一にはあげたくはないo自分達が生きながらえる為に協力するのではない。百分の打算の為に行動するのではなく、それを超えたところで、私達が行動するところに人間性というものがあると私は信じている。現実には説得力のないものかもしれないが、私はこのことを信じている為、この信念を補うような具体的経済開発戦略を考えなくてほならないと思っているO土地改革のことから少し話がはずれたが、この章の最後に、古代ギリシャにおける土地9)改革の逸話を記しておこう。小農達は商人に借金し、それがかさんで土地を抵当にとられた。紀元前6世紀、アテネの平野は、Xの土地はYの抵当に入っているという文句を刻んだ石標でいっぱいになった。農民とその家族はほとんど奴隷に近い状態に落ち込み、こうして自分で土地を耕さない地主階級が登場してきた。土地を失った農民たちはやむなく山に逃げ込み、ここに最初のゲリラ活動が生まれた.農民たちは、金持ちの商人に苦しめられている小売店主と結んで、政治結社をつくった。土地改革を求める声はアテネに満ち満ち、その結果、ついに抵当の石標は取り除かれ、借金は帳消しにされたのである。紀元前524年に、ペイシストラトスが大地主の土地を没収し、元の土地所有者に再分配した。かくして、ギリシャでは大122往9)注の注3)注4)に同じ313頁