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概要

satoh

第2回優秀賞算することに時間を割くことであろう。つまり、発展途上国の農村地域の経済開発戦略を考える場合、マクロ的な計画も重要であるが、その地域の一人一人の状態を考え、それに対処することも必要であるということである。このような対処の方法は、気の遠くなるような多くの時間を費やすかもしれないし、その為の事務手続きの面倒臭くなるような詳細な仕分けを必要とするかもしれない.しかし、彼等の笑顔を見る為には、このような地味な活動も必要不可欠であろう。最近、多くの国際機関で、基本的ニーズの充足ということが叫ばれている。けれども、その基本的ニーズの充足を押し進める為には、 1人当たり所得を伸ばすことにより可能で5)あると考える意見が一般的である。確かに、基本的ニーズと1人当たり所得には多くの関係があり、経済開発戟略の方法として、 1人当たり所得を伸ばすという方法も取り入れる必要があるが、本当に貧困により苦しんでいる人々、意思はあるのだが、生活の糧をうまく得られない人々などは、このような方法だけでは、その戦略の枠からははみ出し、落ちこぼれてしまう。では、具体的な経済開発戦略はどのようなものにすればよいのであろうかOその地域に住む人々に意見を直接聞き、それをまとめ、1つの戦略を作ることが、今まで述べてきた目的に即した戦略という意味では、最もよい方法であろう。この考え方を一歩進めて、次のような故略も考えられる。それは、戦略の対象となる地域の人々が自ら、意見を出し合い、彼等自身の手で生活を改善し、生きる喜びを知ることのできる状態を作って行くことである。この内容は、投資した資本を早く還元する為の工業化でも、一般的に文化的生活といわれてVlる都市化政策6)でもない。農村自体の改善なのである。例えば、次のような農村の組織作りも1つの策であろう。MBrlagementandBoardorEx∝ulive director8(1脛営形態農民的性格のものでなければならない為、資本の管理及び理事構成の過半数が、その地域の人の手によるものでなければならない。皇i)leBneLWOrk(2)業務業務は、その地域の発展を計画するものであり、その地域の農産物の協同阪珪5)世界銀行『基本的ニーズの充足:その概観』1980年9月10・11・12頁注6)農林省編纂『島村工業経営論』全国農業出版株式会社, 3・4頁を参考にLたもの119