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概要

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みよう。9)1966年に国連の社会開発研究所でドレウノスキー氏を中心に発表した生活水準指標も、その1つの指標となろう。これは、国連が発展途上国の生活水準を指数化する為に行なった研究である。まず、人間の欲求として1基本的な身体的欲求(栄養、住居、保健)2基本的な文化的欲求(教育、余暇およびレクリエーション、生活の保全)3高度な欲求(余剰所得)の3つを考える。そして、それぞれの成分について具体的な指標をとる。例えば「住居」ということでは、 1人当たり住宅サービス量、 1室当たり人数、住宅数と世帯数の比率、「余暇およびレクリエーション」では、 1人当たり年間の余暇時間、日刊新聞の発行部数、ラジオ・テレビの普及率、「生活の保全」では、年間の事故死数、失業・病気による休業補償制度の適用率、老齢年金制度の適用率を採用する。また、「余剰所得」は、基本的な身体的、文化的欲求を上回る部分で、具体的には、個人消費支出から飲食費・地代・家賃・水道料支出を差引いた金額で表わされるoさらに、 1室当たり人数の場合、 4人を0点、 1人を100点とし、実際の水準を点数に直し、一定の比重に従って指数化する。同じ方法で、全ての指標を指数化し、それを結合して国全体の生活水準を数字で表わし、時点を追った比較や国際比較をするというものである。このような生活水準指標も、幸福度を表わす為の1つのアプローチとして用いることができるであろう。当然のことがあるが、これで幸福度を全て適確に表わしているわけではない。しかし、今まで行なってきた経済開発戦略の成果を判断する経済成長指標よりも、その地域の住民が望んでいるものを判断する為には、このような生活水準指標を取り入れた方が、よりその地域の開発目標を把握できるのではないであろうか0このような幸福度を求めるアプローチの例として、もう1つの指数化する例をあげてみよう。これは丸尾直美氏の考え方であるが、彼は、それをGNPに対し、国民純福祉(NetNationalWelfare-NNW)と呼んでいるoまず、次の表をみてみよう.112注9)朝日新聞経済部編『くたばれGNP』一高度経済成長の内幕一昭和46年1月30日、215頁