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概要

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第二章世界の求めるもの一九九〇年の立場から､時代の象徴的変化を､政治･経済･地球環境の側面から考察してみたが､世界はもっと多方面にわたって､~幅広い変革を体験していると思われる｡Lかし､すでに三つの課題で明らかにされたように､基本にわたる共通の認識としては世界にわたる地球全体にわたる危機的状況が二十世紀の最終局面に至って到来してしまったことである｡この危機的状況の特質は､次の三点である｡(1)地球及び人類の生存の基本に深く関わっており､対応を誤れば､地球の破壊･人類の破滅に及ぶこと｡(2)この危機的状況は､人類が自らの活動によって､自らのために造り出Lているものであること｡(3)地球及び世界全体の規模に関わる問題であり､部分からの対応では､脱出が困難か又は不可能であること｡この特質は､｢人類の共存の基本｣に関わっており､その対応は､共存を実現するためには､人類全体が､人類の責任において､講じなければならないものであることを示している｡人類の共存の基本とはなにか｡危機的状況に対応してその原則を検証すれば､次の三点に要約されよう｡(1)地球上の人類は､世界の民として人間的に尊重され､その生存を確保されるべきである｡世界の民は､その人間的立場にふさわしく生存への意欲をもち､そのための努力をすること｡(2)生存の場としての唯一の資源である地球は､最大限に保全され､人類の生存と調和した環境の創造が図られるべきこと｡1014