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概要

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第8回佳作るが、教育が一般民衆レベルまで行き渡り、歌舞伎や浮世絵などの大衆文化が栄え、当時の欧米と比較しても遜色のない、豊かで安定した都市生活を営んでいた。このように、日本はわずか1世紀程前まで、高度な資源循環型の成熟型社会システムの中で生活していた。自然収奪型の工業社会が限界を迎えつつある今日、我々の祖先が構築してきた文明の中にある思想と、その仕組みをもう一度評価し直し、これを参考にしながら、さらに、バイオテクノロジーやエレクトロニクス、超伝導などの新たな技術を活用して、資源循環型の地球に優しい社会システムを実現していくことが、日本の役割であろう。欧米で発展してきた工業生産のシステムを導入しながら、これに日本独自の生産管理システムを付加L、世界有数の工業生産国として発展してきた日本にとって、それは決して不可能なことではないと思える。すでに述べたように、20世紀が「テクノロジーの時代」と考えるなら、21世紀は「エンジニアリングの時代」であるといえる。しかも、工業型社会の発展による問題がその背後に迫っている現状を考えると、その転換は、世界的規模で緊急に成し遂げられる必要がある。今日の科学技術や経済の発展に大学の果たLた役割は大きvloそれまで町工場の片隅で試行錯誤的に行われていた技術開発の仕事を、科学的に体系づけながら発展させ、同時に、そのための若い人材を大量に暫成してきた。科学技術の発展に、これまで大学が果たしてきた役割を、「トータル・エンジニアリング」の充実と、それを活用した具体的社会システムの実現にむけて、国連大学が果たすことが期待されるOこのような思いから国連大学の研究テーマとしての「トータル・エンジニアリング」の在り方と,その具体的実践策としての「現代文明のレビュー・プロジェクト」について述べた。1001