ブックタイトル佐藤栄作 受賞論文集

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概要

佐藤栄作 受賞論文集

勇気ある活動は称賛に値するが、成果を得られずに帰国した。この場合、期間の長短にはあまり拘りなく、海外の災害搜索チームと災害搜索犬の受入れに問題があったと、言えよう。ⅳ災害搜索犬受入れ時の課題さらに、ボッサル氏の証言21を要約すると、1度々出された津波警報と大量の降雪のため、搜索担当地域において搜索チームと災害搜索犬の安全が確保できなかったこと、2津波の被災地であったため生存者救出の可能性が少なかったことを、要因として列挙している。被支援国は、国際緊急救助隊の支援を受け入れる、あるいは、要請する場合、津波、地震等の災害の種類から判断して搜索活動に適した場所、搜索手段に鑑みて有効な支援を受けられるよう調整しなければならない。とりわけ、日本は、諸外国に対して誤解を与えないよう、国際標準に則った搜索の概念や用語を用いて、迅速かつ十分な調整を行う努力が必要になろう。3国際捜索救助チーム及び災害搜索犬受入れ時の課題解決のための提言(1)国際緊急援助チーム受入れ時の課題解決のための五つの提言阪神・淡路大震災と東日本大震災の両事例における国際捜索救助チーム受入れ時の課題を整理し、その結論を導き出すことにする。その前提条件として、海外からの人的・物資支援の受入れは、国際災害救助諮問グループ(INSARAG)のガイドラインに則って行われる。したがって、日本を含む国際捜索救助チームのメンバー国は、国際災害救助諮問グループ(INSARAG)のガイドランを熟知し、英語圏でない国は、同ガイドランを母国語に翻訳し、国、各省庁、自治体レベルに同一の国際基準に基づいたガイドラインを普及させることを提言する。また、国際基準に沿わない事項が、メンバー国や被災国で確認された場合、国際災害救助諮問グループ(INSARAG)のガイドラインに追加条項を盛り込み、認識の統一を図ることを提言する。96821<swissinfo.ch>2012年2月7日にアクセス。