ブックタイトル佐藤栄作 受賞論文集

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概要

佐藤栄作 受賞論文集

第27回奨励賞は、政府に対する質問を考慮しながら、基本的な資料を提供します。(5)人権NGOと人権条約委員会との関係国連機関とNGOとの正式な関係は、国連憲章七十一条によると、「経済社会理事会は、その権限内にある事項に関係ある民間団体と協議するために、適当な取り組みをおこなうことができる」と規定され、経済社会理事会の機能を広げるために参加しております。経済社会理事会とNGOとの協同を規定しております。人権NGOは、人権問題の解決策を、国際レベルまで制度化し、それに関わる重要な役割を果たしております。それは国連憲章の中に、人権規定を入れることで、国連機関と制度上正式な連携をして、システムづくりをすることを意味します。ことに第七一条を通じて、経済社会理事会の「社会部門」との関係からNGOとの協議の取り決めを定めて、さらに人権保護についての専門性を、高めていくことを意味します。人権NGOの重要性は、締結政府が適用される人権規定や制度が弱体で非効率的であると言われてきて、それを補完させるよう人権条約委員会に、強く働きかけました。人権NGOの機能についても、特定の利益の保護だけに限定したことも、過去にあったと考えられます。例えば、奴隷制、反対団体、少数者(マイノリティ)の保護団体、赤十字国際委員会への働きかけに限定された傾きがありました。NGOの国内活動は『外国で行われた特定の人権侵害事件に、直面した政府が採用する政策は、国内的に策定される。』(「国際人権法入門」・トーマス・バーゲンソル)という性質をもっております。また、フィリップ・アルマトンが指摘していますように、「人権委員会では、常にNGOに認められている公式な役割とNGOが、実際に演じている役割の間には、大きな隔たりがある。」と問題を提起しております。人権関係文書は、NGOから提案・草案されますし、政府関係組織、個人とその集団、および非政府組織などが利用して多くの通報、とくに人権の大量侵害の告発などを、人権条約委員会に通報します。ただ国内活動の範囲に限定してみますと、外国で行われた特定の人権侵害事件に直面した政府が採用する政策は、国内の政治的配慮が働いて、国内的に政策策定が行われることは、前述の通りであります。対外的人権政策に及ぼす影響については、人権NGOは様々な国家の人権政策と外交とに影917