ブックタイトル佐藤栄作 受賞論文集

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概要

佐藤栄作 受賞論文集

(二)国際NGOを必要とする理由と、国際NGOの経済社会理事会との係わり(1)国際NGOを必要とする理由NGOは国連発足から、経済社会理事会の下で協議に参加してきました。国連と経済社会理事会の位置づけを見ますと、国連総会の下位にまつわる様々な問題、とりわけ開発途上国の理事会離れは、前述の通りですが、経済社会開発は、開発途上国と深くかかわりを持つだけに、経済社会理事会には、重要であります。国際NGOの国連活動への参加の拡大をはかる動きが、国連事務局の側から起きてきました。それは、国際NGOの活用を考慮したのが、国連の事務局であることを意味します。これを契機に経済社会理事会への協議を深めることになりました。また国際NGOに対する資料・情報の提供や施設の利用の便宜を供することで、国際NGOの協議を高めることになりました。経済社会理事会の特定問題の討議には、国連事務総長の事前報告書の作成は、事務局スタッフが、たずさわるので経済社会理事会よりも、むしろ国際NGOを、事務局が必要とする面があって、それが国際NGOの必要性を強めたものと思われます。(2)国際NGOの経済社会理事会との係わり経済社会理事会への国際NGOの係わりを見て、ここに注目されるのは、社会的側面であります。多くの開発途上国では、その国の所得の再分配が、いっこうに改善されず、所得格差どころか、失業は依然として深刻で、住宅不足・栄養不良・貧困が加速しております。そういう社会開発の立ち遅れを、社会開発委員会と協業することで、根本的な見直しが、必要になりました。それを国際NGOがカバーしました。(一九七〇年ごろ)さらに国際NGOの役割の悪化、特に国際NGOが、異なる地域・社会システム開発レベルの、いずれも代表できるように、国際的なNGOは地域および国のレベルのNGOと一層に、連携を深めるためには、経済社会との係わりの中で、国際NGOの社会活動を注目したいと考えます。(3)国際NGOの主な活動国際NGOの主な活動は、国連活動の参加と拡大であって、それを国連事務局の要請に914