ブックタイトル佐藤栄作 受賞論文集

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概要

佐藤栄作 受賞論文集

第3章NGOフォーラムについて14),15),16)3-1 NGOフォーラムとは国連会議が開催される際に、当該問題に対する討議や意見交換などのために、NGOが独自に催す会議が「NGOフォーラム」である。NGOフォーラムは、原則として政府間会議と並行して、あるいは直前に開催される。通常は、経済社会理事会に協議的地位を有するNGOの団体が中心となって、その組織化の役割を担う。14),16)3-2 NGOフォーラム開催の目的前述したように、NGOの国連会議への参加は、公式にはあくまで「オブザーバー」の資格としてである。部分的にNGOが意思決定過程に参加することが可能になったとはいえ、必ずしも十分に政策の策定に参加できるというわけではない。NGOフォーラム開催の一番の目的は、政府間会議の最終的な成果物、例えば公式宣言や行動計画などにNGOの意見を反映させることである。そのため、NGOフォーラムにおいては、新聞の発行やワークショップ、映写会の開催やパネル展示など、様々なイベントが行われる。また、フォーラムにおいて、NGO全体としての考えや立場をまとめ、NGO(オルタナティブ)宣言として発表することもある。このように開催されるNGOフォーラムには、政府の代表や国連事務局の担当者なども参加し、NGOとの意見や情報交換の場として活用されている。15),16)3-3 NGOフォーラムの流れNGOフォーラム開催の始まりは、1972年にストックホルムで開催された国連人間環境会議の時である。招請国であったスウェーデンの国連協会等の民間団体が組織したものが、NGOによるフォーラム開催のきっかけとなった。その後の主要な国連会議においてもこの方式が採用され、今日では、国連会議に共通する特徴の一つとして挙げられるほど、NGOフォーラムの開催は定着しつつある。86214)文献1,p.3415)文献11,pp.84-8516)文献11,pp.90-91