ブックタイトル佐藤栄作 受賞論文集

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概要

佐藤栄作 受賞論文集

DIY世界の誕生に見る地球市民社会の構築-NGOの不可欠性の証明-第27回最優秀賞清水一紀はじめに国際連合(以下、国連とする)の役割について、第2代国連事務総長ダグ・ハマーショルドは次のように述べた。「国連は、人間社会を天国に連れて行くために作られたのではない。地獄に堕ちるのを防ぐために作られたのだ。」確かに、国連は万能な世界政府ではない。しかし、あらゆる規模の国家の意見を集約することが可能な点で強みがある。では、国家の意見とは一体何だろうか?指導者の意見が国民の総意であるのだろうか?必ずしもそうとは限らない。国家の意見は、その国家を構成する国民・市民の意見の集約でなければならない。その市民の意見を集約・表現する過程で、NGOの果たす役割は大きい。本論文では、まずNGOの定義を行う。次に、国連とNGOの関係について様々な分野から考察する。最後に、国連とNGOの未来について考える。第1章国際連合におけるNGO1-1 NGOの「誕生」1945年に設立された国連は、2010年現在192か国が加盟する大きな国際組織に発展した。その国連の目的として、国連憲章第1条には、次のように示されている。1)国際の平和及び安全を維持すること。そのために、平和に対する脅威の防止及び除去と侵略行為その他の平和の破壊の鎮圧とのため有効な集団的措置をとること並びに平和を破壊するに至る虞のある国際的の紛争又は事態の調整又は解決を平和的手段に855