ブックタイトル佐藤栄作 受賞論文集

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概要

佐藤栄作 受賞論文集

「核兵器なき世界」へ向けた国連の役割と可能性第26回佳作はじめにⅠ核兵器廃絶問題の現状と課題Ⅱ「核兵器なき世界」の実現に向けた国連の役割に関するいくつかの提案1市民社会との連携2平和的生存権からのアプローチの強化31996年ICJ勧告的意見の再考4ヒロシマ・ナガサキで首脳会合を5劣化ウラン弾問題――もうひとつの核兵器をめぐって――6シンクタンクとしての国連大学の活性化おわりに**********************末吉洋文はじめに1989年12月に地中海のマルタ島で米ソ両首脳が冷戦終結宣言に調印してから、1991年にはソ連が崩壊するなど、国際社会に大きな構造変化がもたらされた。一般的に、米ソ両大国のバランスが崩れたために、民族主義の噴出およびそれに伴う内戦の頻発状況などが指摘されるが、核兵器問題とて冷戦の影響を受けなかったわけではない。事実、ソ連が崩壊した時にはソ連が保有していた核兵器を巡って米国はロシアをはじめとする独立国家共同体(CIS)諸国の国家承認に際し、ロシアとウクライナに対しては各々が保有する核兵器の管理を承認の条件として突きつけるなど、冷戦終焉がもたらした懸念事項のひとつ833