ブックタイトル佐藤栄作 受賞論文集

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概要

佐藤栄作 受賞論文集

8.まとめ国連は人口問題にも関わるMDGsに向けて様々な取り組みをしてきたが、まだ目標達成には至っていない。今後、目標を達成するためには、1途上国への教育支援2リプロダクティブ・ヘルス/ライツと女性のエンパワーメント3 NGOや企業とのパートナーシップ4資金確保についてさらなる取り組みが必要である。第1に、途上国の教育支援は貧困解決にも関連している。ユネスコの寺子屋運動の拡大のため、教員ボランティアを募ったり、寺子屋卒教師の育成を進めたりすることが必要である。第2に、リプロダクティブ・ヘルス/ライツと女性のエンパワーメントは人口問題の解決にとって重要な活動である。女性の健康と権利が守られ、地位が向上するように、より多くの人への教育活動は欠かせない。整備された法律が実際に使われているかを今後も調査し、目標の実現に向けて今までの活動を拡大していくことが求められる。第3に、NGOや企業とのパートナーシップは国連の活動を補完してくれるものであるから、現在のパートナーシップの関係をより深めたり、新たなパートナーシップを育んでゆくことが今後の国連の活動の幅を広げることになる。第4に、資金確保には援助者への更なる広報活動とインセンティブを与えることが大切である。資金がなければプロジェクトを実施できず、貧困や人口問題の解決から遠のいてしまうため、より多くの資金を集められるように努力する必要がある。これ以外の課題としては人材・物資の供給や政治的指導力についての取り組みがある。人材集めのための給与の見直し、物資の安定供給に向けた援助機関との協力体制、政策調整を円滑に進めてもらうなど、国連がすべきことは多い。結論として、国連はMDGs達成のために上記4つの活動を中心に進めていくべきである。特に、国連が主体となりさまざまなアクターを巻き込んで活動を進めていくことは目標達成の近道になるといえる。小さな改善を積み重ねて大きな改善につなげていく努力を今後も続けていくことが期待される。510