ブックタイトル佐藤栄作 受賞論文集

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概要

佐藤栄作 受賞論文集

(3)国際社会の反応2003年10月21日に国連総会が144カ国の賛成で建設の中止を求める決議を可決したが、同年10月15日の安全保障理事会では壁の建設の中止を求めるシリアらの決議案は米国の拒否権発動で否決された。米国は公式には壁の建設に懸念を表明し、対イスラエル援助の減額も表明しているが、十分な圧力は加えておらず、壁の建設は続行されているix。総会で決議されたということは、壁の建設中止が国際社会の意見ということになろうか。さらに、同年11月24日の国連事務総長報告xでは、イスラエルは総会の壁建設の中止の要求を遵守していないとし、以下3つの点を付け加えた。1.2003年4月末に発表され、国連、EU、ロシア、アメリカにより共同で作成された中東に関するロード・マップに基づいて行うべき信頼醸成に、壁の建設は背いている。2.イスラエルは自国民を守る場合、国際法に違反するべきではない。3.安保理決議242(1967)、338(1973)がイスラエルとパレスチナの安全を保障し、安保理決議1397(2002)、1515(2003)が要請するように、安全で認識された国境で、両国が平和で安全に共存するという解決方法に対して、国際社会は大きな手を差し伸べる。3.UNRWAの活動(1)UNRWAとは1948年のアラブ・イスラエル紛争後、パレスチナ難民への救済事業プログラムを実施するため、1949年12月8日にUNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関)が国連総会決議302(IV)によって設立され、1950年5月1目に活動を開始した。設立以来、UNRWAは中東において平穏の時も交戦中にあるような時も常に変わらず難民にサービスを提供してきた。パレスチナ難民問題への解決が図られないまま、国連総会はUNRWAの権限を更新し続け、現在は2005年6月30日まで延長されているxii。UNRWAは広範囲にわたる基本的サービスをUNRWAの5つの管轄地域-ヨルダン、レバノン、西岸、ガザ地区-に住む400万人以上の登録難民に対して提供している。316ⅸ同脚注Vⅹhttp://cds-dds-ny.un.org/doc/UNDOC/GEN/N03/630/77/PDF/N0363077.pdf?OpenElement?http://www.un.org/unrwa/Japanese/p01.html(UNRWAJapaneselanguageのホームページ,2004/O1/31)