ブックタイトル佐藤栄作 受賞論文集

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概要

佐藤栄作 受賞論文集

紛争の解決における国連大学の活動および役割りやそれに関連する国連の課題等について述べる。Ⅱ国際紛争の解決に関する国際連合大学の活動と課題1国際連合大学とINCOREとの連携関係国連大学は、紛争解決の問題に関して英国北アイルランドのアルスター大学と連携関係を有している。「紛争解決・民族問題国際プログラム(INCORE: Initiative on ConflictResolution and Ethnicity)」と称されるこのプログラムは1993年に始まり、民族問題や政治、宗教がからむ紛争に関する研究、研修が行われる。これは国連大学憲章第1条7項に規定される「国連大学は、大学院レベルの研修によって、学術研究者、とくに少壮研究者が、知識の拡充、応用および普及に寄与する能力を増進するための研究活動に参加するのを助ける」ことを具体化したものである。INCOREは、学際的、比較的、そして国際的な調査の遂行ならびに監督を引き受けている。目下の主要な調査テーマは、例えば、1和平プロセス、2過去に関するもの、3移行体制期の政治、4ガバナンスと多様性、5暴力的あるいは分裂した社会の調査方法論である。それに加え、調査部門は民族調査情報網(ESN: the Ethnic Studies Network)を運営している。これは、700以上の民族紛争の分野において関与している研究者、学生、調査員を結ぶ国際的ネットワークである。ESNは、年に2回の報告書(bulletin)を発行し、2年に一度の会議を組織している。調査部門によって発行される「民族紛争ダイジェスト」は、政策担当者や研究者その他に対して民族紛争の調査に有益な最新情報の要約を提供している。また、調査プログラムの一部分として、INCOREは、ティップ・オニール・フェローシップ(Tip O’Neill Fellowships)を設けており、INCOREでの紛争調査に従事することを希望するインターンやフェローを受け入れている。その他にもINCOREは、ナイジェリアのイバダン大学(the University of Ibadan)との関連を有している。国連大学とリンクしているINCOREのホームページによれば、近年において同プログ240