ブックタイトル佐藤栄作 受賞論文集

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概要

佐藤栄作 受賞論文集

第19回優秀賞国際紛争の解決に果たす国際連合及び国際連合大学の役割り末吉洋文要約国際連合は、「国際の平和及び安全の維持」を第一の目的とする普遍的国際組織である。その加盟国は191ヶ国にのぼり、国際社会の様々な問題に関する討議ならびに意思決定を行う。時には憲章違反を行った加盟国に対して制裁措置を科すことによって国際公益の実現を図っている。まず「Ⅰ国際紛争の解決における国際連合の役割り」においては、国際紛争の解決における国連の役割りを概観している。続いて「国際紛争の解決に関する国際連合大学の活動と課題」においては、まず「国際連合大学とINCOREとの連携関係」について考察している。INCOREとは、国連大学が紛争解決の問題に関して英国北アイルランドのアルスター大学と連携関係を有している「紛争解決・民族問題国際プログラム」の略称である。これは国連大学憲章第1条7項に規定される「…知識の拡充、応用および普及に寄与する能力を増進するための研究活動に参加するのを助ける」ことを具体化したものであり、今後の発展が期待されるものである。次に、「新たな国連大学へ向けて―シンクタンクから実務機関へ」と題して前節における考察を踏まえて国連大学の課題について述べた。国連大学は、現実の国際紛争の解決への研究成果のフィードバック等が重要である、とした。次の「新たな国連大学へ向けて―シンクタンクから実務機関へ」においては、国連大学がただ単に研究機関に止まることなく、実務機関として現場での国連活動に関与していくことが望ましいと思われる、と考察した。例えば、「国連大学ミッション」をPKOなどとともに派遣し、紛争処理の中心的ブレーンとして機能させたりすることを提案した。さ231