ブックタイトル佐藤栄作 受賞論文集

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概要

佐藤栄作 受賞論文集

国際紛争の解決に果す国際連合および国際連合大学の役割り中川奈都子序論:紛争は地球上、常にどこかで起こっていて、それが絶えた試しはこれまで歴史上一度としてないであろう。しかし、世界が特定の隣国のみと付き合う時代と違い、地球上どこの国とでも通商から政治戦略に至るまで連関を持てる現在、紛争の規模もそれに関わる国の数も巨大化を免れない。つまり、紛争は国際紛争化し、それを解決する必要性は、時の経過とともに、他国間が交われるようになればなるほど、重要になっている。国際連合はそういったグローバルな紛争を出来れば回避、悪くても解決するための機関である。仕事はそればかりではないが、一般にその役割が最も期待されている機関であることに間違いはない。そして、国連大学は国連の活動の推進に要する専門的な英知を習得、開発する、日本に拠点を置く機関である。しかし、国連が誕生(1945.10.24)して57年、国連大学が誕生(1973.12.6)して29年が経過し、国連加盟国191ヶ国を数える今、国際紛争は収まるどころか「これが起こったら誰がどのように終結させ得るのだろう」と悲嘆する以上に術がないものへと発展してしまっている。1、世界の紛争の様呈および国連の現状とその問題点:そもそも、国際連合(United Nations)という名が示すように、国連は第二次大戦で連合国(United Nations)とよばれた国が決議の中枢を担っている。しかし、約60年前の戦勝国が中枢に鎮座するという姿は、「世界の平和」が「60年前の戦勝国の道理で実現する」こと、「60年前の戦勝国に与することを要する」ことをおおっぴらに条件としている218