ブックタイトル佐藤栄作論文集9~16

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概要

佐藤栄作論文集9~16

第9回佳作あらう。そしてその結果、刃物を持った無法者が暴れ出したりすると、今度は此を正義の味方面してとちつめる。こんな馬鹿げた事が平然と行われている事を思うと、人類の世界規模における平和の実現には悲観的にならざるを得ないが、さればこそ人類は、理性と勇気を持ってこの悪循環を断ち切らねばならない。武器輸出は当然禁止すべきである。一時的な方策として、或る程度の武器は国連で買い上げ、国連軍の整備に充当する事も、効果的な方策であると考える。国連軍が整備されれば、その分各国は自国の軍備を縮小し、今迄軍備にかけていた費用は、自国の経済伸長や国際貢献に当ててゆく。扨て国際貢献であるが、現在は各国の思惑によって、その都度ニーズに対応している事が多いが、もっと組織的計画的に実施する必要がある。その方法としては国連で予算化し、それを加盟各国に割り当てる。各国では例えば国税、地方税の外に国連税を設けて税として徴収する。基本的には国連税が増えた分他を縮小し、総額が大幅増加とならない様に配慮する事は勿論である。国連税を設ければ、国民は否応なく国連への参加意識、或いは世界への関心が高まり、又国連税の使途についても注意が向いて来る。被支援国もその出所が支援国民の血税である事をしれば、援助が当然とした従来の受け止め方から脱却して、次第に自立への意識が昴揚して来る事も想像される。又国連に資金を集約した方が、総合性、普遍性を持ち易く、従来の如く一部権力構造の増強に使用されたり、ブラックホールに掃き捨てるような無駄な支援も無くなって来る。国連の権力の増強には、今一つ裁判権の付与も大切である。世界最高裁なるものがあり、その裁きが世界的な権威を持つものとなれば、世界の無法者も次第に鳴りをひそめて来る。又各国間の紛争、未解決問題等、何十年、何百年経っても解決しなかった問題も、案外すんなりと結論を得る可能性は十分あると考慮する。以上述べて来た事を実施するには、各国の思惑もあって並大抵の事ではないと思われる。それだけに先ず国連事務総長は世界的リーダーでなければならないし、何よりも世界のリーダー的諸国の強力なバックアップが必要である。ところで上記の様な構図となる為には、上記と平行して或いは先行して国連がどんどん95