ブックタイトル佐藤栄作論文集9~16

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概要

佐藤栄作論文集9~16

第16回優秀賞れば、国連が状況の変化に即応して対応することが可能となる。62早期警報システムは単に警報発信だけに留まらず、危機の予知、紛争発展のシナリオ提示、紛争予防に向けたプラン策定、行動開始に向けた準備、そして計画実行という一連のプロセスの一環として位置付けられねばならない。63警報を出しても、それが適切な組織に必要なものとして伝えられなければ意味が無い。適切な情報を適切なタイミングで適切な相手に与えてこそ、早期警報は初めて効果に機能する。そのためにも、早期警報システムの管理運用上の問題点を早急に改善しなければならない。まずは、早期警報に関する共通データベースの作成が求められよう。情報収集と交換のためのネットワーク構築、情報処理の標準フォーマットの開発、情報処理システムの共有化、情報評価基準の作成など、様々な現場作業を標準化するべきである。64早期警報の情報処理を経験豊かな専門家が現地レベルで行い、作業スピードを上げることが重要だ。65情報源として、マスメディア、研究者、政府機関、NGO、国連とその専門機関、商業ベースの危機分析サービス、独立のデータベース、地域ネットワークなど、様々な既存のネットワークを有効に活用できる連携体制を整備すべきである。66そして、早期警報の利用者がそのデータを駆使して政策立案に役立てるためのフォーラムを設ける必要がある。加盟国政府、NGO、事務総長が一堂に会し、早期警報を活用して予防措置を講じるための協議の場を設定してはどうか。67早期警報と予防外交に関する安全保障理事会の役割も強化されるべきである。68国連事務局の平和関連活動支援能力の改善このような予防外交でも紛争を防止できない場合、その他の国連平和活動が選択的に発動されることになる。しかし、平和関連活動を支援する国連事務局の能力は非効率で脆弱である。国連には大規摸な戦闘を指揮・統率・支援するための政治力も物資もなく、近い将来それを入手できる可能性もない。このため大規模な平和強制活動を行う場合には、主要国や地域組織等に追加支援を求める必要がある。国連機能を高めるためには、結局、既62黒田順子、p.29263黒田順子、p.29464黒田順子、p.29965ハンス・トーレン、p.26566クマール・ルペシング「予防外交の推進のために」、p.32767ガンガペルサンド・ラムチャラン、p.28968黒田順子、p.301841