ブックタイトル佐藤栄作論文集9~16

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概要

佐藤栄作論文集9~16

第16回優秀賞立場とは見なされ得ないにもかかわらず、国連には平和維持活動面での中立性・公平性が求められた。ソマリアでも、平和維持活動が時期と方法の両面で不適切な形で展開され、その結果、事態がむしろ悪化したとさえ判断される。7紛争の発生から変容までのプロセスに対し、国際社会にそれぞれ異なった介入手段が要求される。早期警報→早期介入→紛争変容という段階的対応が求められよう。8紛争の発生段階には、紛争形成・対立の要因や状況を分析し、各種ネットワークを通じて早期警報を発信。9紛争の形成段階には、紛争当事者間の対話機会を模索。10紛争激化の段階には、停戦ルールや監視方法などを設定。11紛争長期化の段階では、紛争当事者間の敵対感情を緩和、当事者の交渉能力を育成すべく訓練と指導を行う。12和平交渉や対話の開始にあたっては、当事者間での問題解決方法の模索に向けた対話機会を仲介する。13紛争変容の段階では、紛争の性格を変えて平和指向の社会構造を築き、当事者同士の思考パターン変化を促す努力が必要となろう。14紛争の仲裁において重要なのは、単に紛争期間を短縮するだけでなく、紛争の発展段階と介入手段とのミスマッチを極小化することにある。15紛争はできるだけ初期段階で未然に処理することが望ましい。しかし、一般的に、紛争が激化する前の段階では紛争に対する国際祉会の関心が薄く、紛争が激化してようやく国際社会の目がむけられるのが実情である。このため、紛争は初期段階において最も処理しやすいのに効果的な介入が行われず、紛争激化後の最も困難な段階になってようやく介入が始まることになる。このようなミスマッチの典型例が、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争やソマリア内戦への国連による介入である。紛争の初期段階で、国連及びその他の国際機関が紛争予防のための応急措置をとる体制を整備しなければならない。16国連の紛争処理機能国連の紛争処理機能としては、伝統的な平和活動(平和創造、平和維持、平和強制)に加え、紛争発展以前に緊張を緩和させるための予防外交や、紛争再開を防止すべく平和を強化す7浅田正彦、p.718黒田順子、p.3039黒田順子、p.30310黒田順子、p.30311黒田順子、p.30412黒田順子、p.30413黒田順子、p.30414黒田順子、p.30415クマール・ルペシング「序章」、p.2316クマール・ルペシング「序章」、p.23833