ブックタイトル佐藤栄作論文集9~16

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概要

佐藤栄作論文集9~16

が当該紛争のある特定の紛争当事者と敵対し、PKOがその紛争当事者との戦闘を目的に武力を用いることを指す。つまり「当事者化」といった場合に、それが平和強制を行う時点で必然的に認識される「当事者化」と、紛争当事者との敵対関係に基づくPKOの武力行使という「当事者化」とは必ずしも同一ではないという指摘である[津田塾大学学芸学部国際関係学科4年志村ゼミ(1999年10月7日)における、志村尚子教授の発言]。(38)UNOSOMⅡが1993年の夏から秋にかけてモガディシュ南部のアイディ一ド将軍派に対して行った軍事作戦について、国連加盟国の間では、その軍事作戦によって要員やジャーナリストの中に犠牲者が出た割に効果は薄いとして批判する声と、断固たる態度で臨むべきだとして、アイディード将軍に対する懲罰的措置の継続を支持する声とがあったとされる。また、アフリカ諸国やイタリアといった国々や人道的支援団体、アメリカなどのマスメディアはUNOSOMⅡで平和強制という軍事的活動が目立っていることに批判的だったのに対し、UNOSOMⅡの当時の副司令官モンゴメリー少将やハウ特別代表はそれらの批判に反論し、平和強制が必要であるという姿勢を崩さなかった(川端・持田、前掲書、90-94ページ)。(39)エヴァンス氏は、このソマリアのケースの教訓として、人道的目的のために導入される国連軍(筆者注:国連による軍事行動の意)の交戦規程(the Rules ofEngagement of UN forces)は、市民への武力の打撃を最小限にとどめるという視点のもと、それぞれの状況が注意深く考慮されるべきである、と指摘している(Evans,op.cit., p.154)。(40)特に、1993年10月に、UNOSOMⅡが、別途に活動していたアメリカ部隊と共にアイディード将軍逮捕を試みて失敗するなど、アイディード将軍側との戦闘が主な原因と考えられる。(41)UNOSOMⅡ撤退後は、国連はケニアのナイロビに担当職員2名を派遣し、UNHCRやWFPなどの機関がNGOと共に人道的支援活動を行うといった形でソ788