ブックタイトル佐藤栄作論文集9~16

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概要

佐藤栄作論文集9~16

巻末注(1)平和強制(peace-enforcement)は、一般的には憲章第7章の枠にはいると考えられ、国際の平和と安全が脅かされるよう事態において、平和創成(Peace-making)が功を奏さず、平和維持もまた不可能であるような状況となった場合、主に武力によって平和を「強制的に」回復する行動である。ガリ事務総長(当時)は報告書「平和への課題」(1992年6月)の中で、憲章7章第40条の「暫定措置」の枠内という解釈で、各国から提供された、平和維持軍よりも重装備で、安全保障理事会の権限の下国連事務総長の指揮下に入る「平和強制部隊(peace-enforcement unit)」という形を提唱した[Boutros Boutros-Ghali,“An Agenda for Peace”(A/47/227-S/24111:以下“Agenda”と略)、para.44、訳は国連広報センター『平和への課題-1995年』第2版、国連広報センター、1995年、(非公式訳:以下“課題”と略)、42ページ]。そして、その後実際にソマリアに派遣されたUNOSOMⅡはこれに近い形とみることができる。しかし結果的には失敗に終わり、「平和への課題:追補」(1995年1月)においてガリ事務総長は、現在のところ国連にはそのための能力がないとしている[BoutrosBoutros-Ghali,“Supplement to An Agenda for Peace”(A/50/60-S/1995/1:以下“Supplement”と略)、para.77、訳は国連広報センター、“課題”、21-22ページ]。尚、本稿で英語の和訳を使用する揚合、ことわりがないものは筆者による訳である。(2)PKOの途中から部分的に平和強制機能が課された例としては、1992年2月から旧ユーゴスラヴィアに派遣されていた国連保護軍(United Nations Protection Force:以下UNPROFORと略)がある。しかし、PKOの設立当初から平和強制が任務として課されていた最初の例はUNOSOMⅡであった。(3)例えば、ソマリアの後に生じたルワンダ内戦では、民族対立の結果、ジェノサイド(大量殺戮)が発生して難民が近隣諸国に大量に流入したが、ソマリアでの失敗から国連は有効な対応ができなかったとされている。(4)藤井京子「ソマリア問題と国連の強制措置」『名古屋商科大学論集』第38巻1号、780