ブックタイトル佐藤栄作論文集9~16

ページ
763/912

このページは 佐藤栄作論文集9~16 の電子ブックに掲載されている763ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

佐藤栄作論文集9~16

第16回最優秀賞「内戦と国連-ソマリア内戦と国連平和維持活動を中心に-」井上実佳本稿は、国連が冷戦終結以降の現在において内戦に関わる際の問題を、国連平和維持活動(:UN Peace-Keeping Operations:以下PKOと略)を中心として、ソマリア内戦の事例をもとに考察するものである。冷戦終結以降、内戦という形の紛争が多発しており、それらは民族・部族間の対立をはじめとして様々な原因から発生している。一方、現在では唯一の普遍的な国際機構である国際連合(以下国連と略)は、冷戦期には集団安全保障体制が十分に機能しなかったため、主にPKOという形で紛争に関わってきた。しかし、冷戦終結後の変化に伴い、国連が対応することを迫られる紛争そのものや、米ソ対立の消滅など国連加盟国間の諸関係に変化が生じた。そのため、国連の紛争解決に関する政策にも、多国籍軍の活用や人道的任務の増加など変化がみられると共に、PKOの目的や任務、形態なども変化している。このような状況の中で、国連が紛争解決においてどのように機能しているか、また機能すべきかについて研究するため、本稿では、内戦の中でのPKO派遣、人道面での任務、平和強制(Peace-enforcement)とその失敗など、様々な問題点を生じさせた、ソマリア内戦に対する国連の介入を取り上げる。構成としては、まず、「はじめに」で筆者のテーマ選択の動機、筆者が認識するところのソマリア内戦に関する主な論点及び着眼点を述べると共に、本稿テーマに関係する先行研究を概観する。次に、本論では、具体的にソマリア内戦への国連の介入全般を、「はじめに」で挙げた筆者の着眼点を出発点として考察する。そして結論では、本論での考察をもとに、「はじめに」で挙げた、国連のソマリア介入に関する主な論点について考察する。筆者は、本稿の特徴は、内戦に対する国連の介入という本稿テーマを、具体的にソマリアの事例を取り上げて考察することであると考える。PKOをはじめとする、国連の紛争761