ブックタイトル佐藤栄作論文集9~16

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概要

佐藤栄作論文集9~16

第15回優秀賞たな参入国はない。共産圏であったためココムの被規制国であった旧東側諸国を含めて全ての参加国の行動開始が確認されたが、以下のような問題点が指摘されている。第一に、冷戦が終結したと言って全ての冷戦的構造が解消したわけではなく、参加国による「どの地域を脅威とみなすか」に認識のずれがある。例えば米国が懸念しているイラクに対してロシアは冷戦期からの武器貿易の対象国であり、規制対象に関する各国のコンセンサスを得るのは難しい。第二に、「規制の判断は各国の裁量」という拘束力の欠如があげられる。これは多分に紳士協定としての性質を持つものであり、ココムのように規制項目の決定が全会一致制による一貫性をもつレジームに対し今一つ効力が弱い基盤になることは否めない。第三に、汎用品や技術をも規制対象としているのは、参加国間での対立を招く恐れがある。特にロシアは「米国は加盟国へも差別を行っている」と抗議している。第四に、一部の途上図には貿易体制が整っていないところも多く、輸出体制による規制が形骸化しかねない。さらに技術面での進歩は急激であり、それに対応しなければならない煩雑な規制のスピードも万全とは言えなくなるだろう。3通常兵器管理が経済に与える影響現在、先進国をはじめとして、兵器輸出を行っている国は多数ある。701