ブックタイトル佐藤栄作論文集9~16

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概要

佐藤栄作論文集9~16

ここでは、国連の平和機能の2つの性質を基に平和機能を4つに類型化する。まず、1つめの性質として、国連の平和活動の紛争当事者から見た正統性(国連の活動が紛争当事者にとって中立なものかそうでないか)を挙げる。そして、もう一つの性質として、国際社会から見た国連の平和機能が対象とするものの正統性(国際社会一般の規範28を守るための行動か、具体的なケースにおいてなされた合意内容の維持と実行に関するものであるか)を挙げる。これらにより、国連の平和機能は図のA、B、C、Dの4つに類型化される訳であるが、Aは、国際社会一般の規範を破ったものに対して国連が非中立的な立場で対処する、という機能である。その典型としては、集団安全保障が挙げられる。Dは、紛争当事者に対して中立の立場で、当事者の合意を得て行う平和機能であるが、これには、伝統的なPKO及び(紛争後の)平和建設29があてはまる。Cは、各国が国際社会一般の規範を破らないように国連が中立的な立場で紛争の軍事化を防ぐ方策である。予防外交及び平和創設がこれに当てはまる。Bは、具体的になされた合意違反に対して国連が当事者にとって非中立的な立場で対処する機能である。ガリ旧事務総長が提案した軍事制裁を含む平和執行部隊はこの類型に含まれる。以上が国連の平和機能のあらましである。<国連の平和機能の類型>30[国際社会からみた正統性]国連の平和機能の発動の対象が規範維持・違反に関するもの(侵略、人道、民主主義等)A紛争当時者間の合意(あるいは国連の決定)の維持・違反に関するものB[紛争当事者からみた正統性]国連の機能が非中立的中立的・不偏的C集団安全保障(集団)予防外交(集団)合意強制執行(集団)平和維持・平和建設D56628武力による威嚇・武力行使、人権の侵害、ジェノサイドをしてはならない、といった規範。29これは、紛争が終結した後、紛争当事者間に再び紛争が起きないように様々な手段を講じようとする措置である。30これは、紛争が終結した後、紛争当事者間に再び紛争が起きないように様々な手段を講じようとする措置である。31頁。