ブックタイトル佐藤栄作論文集9~16

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概要

佐藤栄作論文集9~16

「国連大学の望ましい未来像」第13回佳作池田八太郎1.国連大学の実像と虚像念願かなってわが国に国連大学が誕生してはや四半世紀を超えた。都心にみごとなスカイスクレイパーがあたりを圧している。あのあたりを通りかかるたびに、同じ日本人としてつい誇らかないい気分になってしまうくらいである。UNUにご勤務の皆さんの気持ちは又ひとしおのものがあろう。四半世紀を期に、このへんで1度、UNUの在り方自体を客観的に見直してみることも必要ではあるまいか。以下はまったくの門外漢ながら私が努めて主観を排してまとめてみた「望ましい在るべきUNUの未来像」である。「日本人として国連大学に何を期待するか」と問われれば、先ず若い人なら異口同音に、「この国際化の時代に、ぜひ国連大学に入学して、国際機関や海外でおおいに活躍したい」と言うに違いない。しかし、かれらは、国連大学が研究中心の機関であることを知り、がっかりして諦め、他の方法を捜しはじめることであろう。大学という名称なのに大学ではないのかという単純な疑問を、日本人なら誰でも抱くにちがいない。第一の問題がここに存する。いな、これこそが問題のアルファでありオメガであろう。大学の名称が付いていなかったら、おそらく日本国民も立法府も行政も、熱に浮かされたかのようにして、あれほど熱中してその誘致に、そして世界一高価な1等地に超モダンな摩天楼を建設することに夢中になることはなかったのではあるまいか。巻頭からUNUで貴重な汗を流しておられる方々に冷水を掛けるような発言で恐縮ながら、これがわれわれ一般国民の最大公約数的意見であろうことを、残念ながら私は認めざるをえない。475