ブックタイトル佐藤栄作論文集9~16

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概要

佐藤栄作論文集9~16

第13回最優秀賞自分の中に取り入れられた知識や経験を、NGOやボランティア活動を通して実社会に何らかの形で生かしていく機会が多い。国連大学を拠点に、一般市民の域にまで平和的精神・活動への、動機付けの機会の裾野が広がっていってほしいものだ。私は、1996年11月に開催された国連大学の定例シンポジウム「21世紀における国連システム-平和と安全保障」に出席した。国連大学におけるこのようなシンポジウムに参加するのは2回目であったが、今回は自分の卒業論文に関係するテーマでもあり、内容としては大変興味深いものであった。改めて思い返してみると、学生として大変貴重な経験をしたと思う。国連が抱える問題の研究について、その最先端をいく世界の学者の方々の考えや意見を、直接自分の耳を通して聞けたことの感動は大きかった。国連大学に今後期待するものとして、学生はもちろん、一般市民が気軽に国連大学の研究に触れられるような機会をどんどん増やしていってほしい。そして、もっとオープンに国連大学の活動内容を宣伝して大学の門戸を広げていってもらいたい。これらは、論文全体を通して、一貫して私が述べたかったことでもある。日本を拠点とした国連大学が、柔軟な知的交流の精神を積極的に世界に向けて発信する機関となることを切に望む。「大きな相違に橋をかけようと試みない地域的な協力は、普遍主義に基づいて描かれるものよりも、成功する機会が大きい」6国連大学の日本、及び世界の学界との関係も、まずは地域的つながりから、というのが今後のキーワードになってくるであろう。第三世界での開発にかかわる地域的な国家間機構の、アラブ連盟教育文化科学機構(ALECSO)は、チュニジアのチュニスに本部を置き、ユネスコとの結び付きを維持し、その目的の一つにアラブ諸国の文化的統一の促進を掲げている。東南アジア教育相機構(SEAMEO)は、バンコクに本部を置き、教育、科学、文化において協力計画やプログラムを促進し、その実行のために地域センターを設置している。7このような国際文化交流機関の間の協力は、世界の各地で行われているものの構造化されるまでには至っていない。国連大学の下部機関を世界各地につくることによって、学者・研究者の行き来を活発にし、地域に根差した研究を行い、国連大学発行の図書が自由に閲覧されるようにする。その施設を利用しての6「文化の国際関係」J.M.ミチェルP.2927「国連大学年次報告書」1992~1995年度版参照433