ブックタイトル佐藤栄作論文集9~16

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概要

佐藤栄作論文集9~16

第12回優秀賞ア・太平洋経済協力といった地域統合に見られる地域的国際機構が実現した。しかしこれらは経済活動にのみ重点をおいた関係ではなく、地理的要因などを基盤とした社会・文化などの活動分野にまで拡大し、現在においても安全保障を含めたこれらの機構の役割は注目されている。その上、アジア・太平洋経済協力においては、十あるワーキンググループのうち人材育成の部門を設けるなど、ここにも教育・人材育成に対する認識がみられる。そこで本稿では、発展途上国における教育の役割を考慮した上で、国連と地域的国際機構、そしてその他の国際機構とどのように連携を図っていくべきであるのか。また、その上で国連の改革についてはどうあるべきかを考えてみたい。一.教育*教育の必要性「すべて人は教育を受ける権利を有する。教育は、少なくとも初等の及び基礎的の段階においては無償でなければならない。初等教育は、義務的でなければならない。…」これは世界人権宣言二六条(教育)一項に記載されている条約文の一部である。教育が平和構築に寄与することは先にも述べたが、教育は個人にとっても社会生活を営む上で有益である。そこで、教育の役割を考えてみると契約のために交わす文書、有効な家族計画の実施、保健・衛生に対する知識、病気に対する処置などは教育に負うところが多いといえよう。特に近年、人口増加に危惧を抱いた国連などは、女性会議において家族計画の必要性を説いている。また、創造性を助長し、柔軟な思考を鍛えるのも教育の役割であると考えられる。つまり、日常生活において、教育の果たす役割は図り知れないほど大きく、教育は社会生活を円滑にするための手段ともなっている。また、教育を通して人権という概念を理解し、自己のおかれた状況の把握もすることができる。その上、こどもの人格形成にも多大な影響を及ぼすことにもなるのである。一方、教育が普及してさえいれば起こり得なかっただろう不幸な出来事も各地で起こっている。以下の例は氷山の一角であろう。しかし我々にとって常識であることが、教育を357