ブックタイトル佐藤栄作論文集9~16

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概要

佐藤栄作論文集9~16

領有権を主張している地域の共同開発への提案と補助金、起動費の低利借款供与などが地域の平和と発展に大いに役立つであろうし、多くの隣同士の国々が歴史的な怨念が多い今日の世界では国境を跨る開発に関して、国連が手を貸さなければなかなか出来ないのが現状であり、それこそ国連の活躍の場である。6.安保理を段階的に増員改編しよういま、安保理の構成には大きなアンバランスがあり、途上国だけでなく、一部の先進国からも不満を持たれている。それは長い目でみれば安保理の活性化と機能強化を妨げるものであって、増員改編しなければ国連の本来の機能を果たせない。それも国連加盟国の一致したところである。しかし、問題はどの加盟国がいつ安保理常任理事国に加えればいいかということである。この点に関して各国の思惑が異なり、コンセンサスは得られず棚上げされているのが現状である。しかも、近い内にこの問題に関するコンセンサスが得られそうもない。このままでは、常任理事国になりたい関係国間及びそれらの国と国連の間の駆引きが益々生臭くなり、エスカレートするので、協調を必要とする国連にとって望ましくない。まず、国連において安保理増員改編のビジョンを打ち出さなければならない。それは現実に安保理常任理事国に入りたく、しかも積極的に動いている加盟国は少なくとも6、7ヵ国もあるし、また、入りたいが表面化していない国はもっと多いからである。それらの国々は世界平和に対する願いが同じでも、平和に対するこれまでの貢献度、これからの貢献能力などは様々である。敵対している国同士も少なくない。しかも、常任理になる明確な資格などは国連憲章にない。これらの国々の全てを同時に常任理事国に加えていく訳にはいかないし、またこの国を入れて、あの国を入れないという明確な基準もないのでコンセンサスを得られない。従って、安保理増員改編は段階的にしかも総会での公平競争としての選挙で行われなければ加盟国は納得しない。こういう状況の中で、国連がなすべきことは早急に以下のような明確なビジョンと手順284