ブックタイトル佐藤栄作論文集9~16

ページ
255/912

このページは 佐藤栄作論文集9~16 の電子ブックに掲載されている255ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

佐藤栄作論文集9~16

第11回佳作もともと世界の全船舶が惹起するであろう油汚染の確率的な許容規模と、世界の油エネルギー需要量と海洋の環境への影響とは密接な関連がある。しかし、この問題はIMO・国連環境計画UNEP等の関連機関と共に総合的に討議されてはいない。ⅲ.経済社会理事会の下部には、宗教の問題を扱う国連機関を設置していない。また、経済社会理事会の各非政府組織NGOとの積極的な連携は極めて弱く、NGOと連携する国連機関もなく、経済社会理事会が世界の人々と共にグローバルな活動を展開しているとはいえない。4経済社会理事会の下部の地域経済委員会は、充分に活動していない。私は、フィリピン政府の海事産業に関するアドバイザーを勤めていた1987年に、同国の貨客船と小型タンカーが衝突して炎上・沈没し、1,500名以上が死亡した有史以来の最大の悲惨な海難事故を忘れることができない。また、その直後に同国に来訪したアジア太平洋地域経済委員会の海運担当者は、同国が国際条約で規定されている船舶安全法・衝突予防法を厳守することを口頭で勧告した。しかし、同担当者には、同国で頻発する海難事故の根本的原因が、内航船隊の老朽化による安全性の低下と船員の能力の不足であることをなかなか認識して貰えず、その後、同国が内航海運の復興と海上安全の向上に対する国連の協力を公式に要請したにもかかわらず、なんらの回答も得られなかったことを今でも残念に思っている。特に、発展途上地域の地域経済委員会は、人類自らが産む子供達を自らで養うことができないほどの困難を抱えているという認識に立って、担当地域の人口・経済・社会・産業・労働・環境を正しく認識して貰いたい。また、経済・社会理事会は各地域経済委員会を通して、各経済圏(欧州(EU,EEA, EFTA)・米加墨(NAFTA)・アジア太平洋(APEC)・アジア(NIES,ASEAN, EAEC)・OECD・GATT(WTO)等)との調整・連携・協調に努めなければならない。利益協同体を指向する各経済圏や各国の主張と行動が強まり、対立と253