ブックタイトル佐藤栄作論文集9~16

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概要

佐藤栄作論文集9~16

「国連の抜本的改編の具体的方策」第11回優秀賞川北秀人要約国際機関の必要性と将来における役割、さらに今日の国連の抱える問題点について検討した上で、国連と、その外部環境との関係について考察する。第1章国連の必要性と将来における役割1-1.国際機関の必要性根拠から見た国連外交は二国間から多国間交渉へと発展し、安全保障や経済政策のように、臨機応変な対応が迫られる問題について、初めて常設機関が構成される。そこで国連の改編が実現された後の国際機関が解決を迫られる近未来、2020年の地球について概観した上で、求められる機能について検討する。1-2.2020年の地球から考える、国際機関の機能人口は約80億、先進国以外では50%以上の増加となり、エネルギーと食糧の需要は、現在の3倍以上にも及ぶ。地球レベルの環境問題は、漸進性と人類のモラトリアムによる対応の遅れから、抜本的解決までには至っていまい。人道的・経済的援助も、国際機関の基幹的機能である。援助を必要とする人々を生む構造が抜本的に改善される見通しはなく、むしろ深刻化していよう。今後の安全保障の「敵」の一つは、「民族」や「宗教」といったミクロレベル固有の背景をもつ紛争である。さらに犯罪組織やテロリストなど、環境や社会の安全に危害を加える存在の多様化・小規模化は、政府間協議による包括的な課題解決を困難にしている。231