ブックタイトル佐藤栄作論文集9~16

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概要

佐藤栄作論文集9~16

第11回最優秀賞府組織(NGO)の誕生ならびにその活性化のための措置をとることである。そのためには、各国の人材が有効に活用されなければならないから、様々な専門分野を持った各国の学者・研究者・専門家に関する「人事・人材データベース」の開発と導入を、国連大学はするべきである。一つのプロジェクトを起こす場合に、様々な研究者を集め、いわゆる「人材ポートフォリオ」なるものを作成することが大事になるのであるが、それを作成するのに必須アイテムとなるのが上記の「人事・人材データベース」なのである。こうすることにより、各国の人材を、国境を越えて、流動的に活用するシステムを構築するのである。第二に、国連大学は、「コンソーシアム」の活性化に中心的役割を担うべきである。国連大学の各種研究所24と外部の研究所、企業、政府機関25、大学、シンクタンクとの連係を拡充させることが求められる26。最近、慶応義塾大学と国連大学との間で学術協定が結ばれ、慶応の学生が国連大学でのプロジェクトに参加したり、レクチャーを聞くということが行なわれているが、このような試みは大変に歓迎されるべきものである。今後は、国内外を問わず、他大学の学生にもその門戸が開かれるべきであろう。第三に、国連大学は、「ヴェンチャー・リサーチ」という新しい研究者要請・活用方式を導入し、研究に対するインセンティブを働かせる役割を果たすことである。一般に財政的に余力のない若い研究者や大学院生などに対しては、研究計画書や報告書等を提出させ、審査の結果有意義なものと認められれば、財政的に支援すると同時に、「人事・人材データベース」(前出)に登録し、新たな研究・プロジェクトに参加したり、リクルーティングの機会を保証するシステムを整備する必要があろう。とかく「ぬるま湯」になりがちな社会科学系の学者・研究者に研究させるインセンティブや競争原理を導入させるためにも大事なことであると考える。3-3.「監査・モニタリング補助機関」としての役割第三番目の国連大学の役割は、「監査・モニタリング補助機関(The Institute ofAuditing and Monitoring)」である。「グローバル・ガバナンス」による「共通安全保障」の実現に向けて、大きな制約となっ24前出。特に、来年開設される「国連大学高等研究所(UNU/IAS)」は、このコンソーシアムの中心的役割を担うべきである。25 3-4で述べることだが、政策指向(policy-oriented)の研究を成功させるためにも、政府機関の政策担当者(官僚)等との交流は不可欠である。26ただ、この場合はデータベースや研究成果等の知的所有権の問題があるから、弁護士等の法律家のアドバイスを受ける必要がある。223