ブックタイトル佐藤栄作論文集9~16

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概要

佐藤栄作論文集9~16

第11回最優秀賞「創設20周年を迎える国連大学に世界が期待する役割「グローバル・ガバナンス」による「共通安全保障」の実現に向けて俵典和要約本稿は、世界が創立20周年を迎える国連大学に期待する役割を、近年の世界レベルにおける政治・経済・安全保障面の地殻変動という大局的視野から論及することを目的としたものである。本稿前半では、近年の世界社会における(1)アクターの多元化、(2)国家管轄権を越えた地球的問題群の誕生という二つの事象に着目し、伝統的な安全保障観が変容されていることを指摘する。つまり、1970、80年頃より、国際機関(IGOs)、非政府組織(NGOs)、他国籍企業(MNCs)という非国家的行動主体の活動が活発になり、さらに、資源、人口、食糧、貧困、麻薬、地球環境問題という一国のみでは解決することのできないグローバルな問題群が誕生し、認識されるようになるのである。そして、そのような事実を受けて、従来の「安全(security)」「統治(governance)」という概念そのものが変容していることを指摘し、「安全」面では「国家安全保障」から「共通安全保障」へ、「統治」では「国家による統治」から「グローバル・ガバナンス」へと変化されるべきであることを主張する。そして、この「共通安全保障」「グローバル・ガバナンス」という二つの新しい指導理念に従って、新時代における国連大学の役割も考えられなければならないことを説く。本稿後半では、前半で提示した二つの理念に従って国連大学が果たすべき役割を大きく四つ提案させて頂いた。(1)「情報収集・分析・発信センター」としての役割、(2)「人材育成・活用機関」としての役割、(3)「監査・モニタリング補助機関」としての役割、(4)「世界公共政策センター」としての役割がそれである。(1)は各意思決定者達に地球的問題群211