ブックタイトル佐藤栄作論文集9~16

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概要

佐藤栄作論文集9~16

「最近の国連平和維持活動-特にカンボジア、ソマリア派遣などについての評価、また今後の平和維持活動のありかた、日本の果たすべき役割について-」重松優要約冷戦後の新秩序を構築する上で、いま世界中の国々が数多くの問題に直面している。大国においては、経済的・政治的不安定要因を抱えている上に、外交的にも従来ほどの指導力を発揮出来ず、さりとて他国の混乱、内戦に無関心であれば、何時それが自国に飛び火するかわからぬほどに国家間の関係は緊密化している。この様な状況の中で、さまざまな不評をかいながらも国連の存在に期待が寄せられるのも、国連が世界の総意を反映できる唯一の機関に他ならないからだ。特に、PKOの運営に関しては、国連主導で各地域での平和の安定と秩序回復は進められるべきである。その為に、現況を分析しながら今後の紛争に対し、適時に対応出来る人、物、その他資源等の配分システムの作成こそが急務であろう。ボスニア、ソマリア、カンボジアの地域の紛争の経緯、及び今後の対応を想定しながらケーススタディし、それを踏まえた上で、国連の果たすべき役割と活動、それをささえる実行マニュアルの作成に言及した。紛争地域での文化的背景を考慮し紛争勃発を未然に防げるように予防外交を重視し、紛争原因を正確かつ迅速につかむ情報システムの確立に力点が置かれている。勿論、国連の活動にも限界があり、他機関、とくに非政府組織との連携は必要であるが、紛争解決の為にとられる処置に関しては、どの段階においても国連のフィルターを通すことによって、指揮系統の統一化と近代化が図られるべきである。現在、15地域に8万人以上が派遣され、年間40億ドル近くの経費を費やして展開されるPKOに対しては、当然コストパフォーマンスも考慮せねばならず、今後は従来の国連からの呼188