ブックタイトル佐藤栄作論文集9~16

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概要

佐藤栄作論文集9~16

「冷戦後の新時代における国連の理念と役割」第9回最優秀賞吉田正人第1章冷戦終結の背景1945年2月ヤルタ会談から始まり第2次大戦後を特徴づけていた「冷戦」は、1989年12月のマルタ会談・1990年6月のワシントン会談でその終結が確認され宣言された。いわゆる「ヤルタ」から「マルタ」への転換であった。欧州における東西対立を乗り越えようとする動きは全欧安保協力会議(CSCE)首脳会議として実現した。1990年には、ナポレオン戦争後のウィーン会議(1815年)以来、実に175年ぶりに全欧州の首脳が集まったCSCE首脳会議で、東西分断と対立への訣別を高らかにうたい上げ、平和と統一の欧州新時代を画す「パリ憲章」が採択された。90年代を象徴づける米ソ「強調」をもたらした基本的な背景は、米ソ両国の経済的行き詰まりにある。この米ソ双方の内在的理由により両国は、もはや、ともに軍事的拡張や世界各地の地域紛争に支援を続ける余裕を失い、自らの経済的基盤の立て直しに専念せざるを得なくなった。第2章「ポスト冷戦」の概念本稿テーマについて論考する場合、「ポスト冷戦」の概念を明らかにすることが必要になってくる。そこで、「ポスト冷戦」の概念について若干のまとめをしておきたい。1.総論-ポスト冷戦と国際社会国際環境のなかで、冷戦の終焉がもたらすインパクトはきわめて深く広い。それを要約的に列挙すると次のことを挙げることができる。第一は、核兵器を頂点とする世界軍事秩序による覇権維持が失効し戦争の正当性が喪失17