ブックタイトル佐藤栄作論文集9~16

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概要

佐藤栄作論文集9~16

れているのであろうが、効果的なPKO活動を続けていくためには、やはり統率のとれた国連としての部隊を派遣しなければならない。国連として各国からの兵隊を再編成し、共同の訓練後PKO部隊として派遣する様にはできないものだろうか。つまりカンボジアのPKOやモザンビークのPKOに参加するというのではなく、国連のPKOに参加するという事は各人が国連部隊の一員としてそれぞれ別々の混成部隊に配属され、ある者はソマリアへ、またある者はモザンビークへ行くという形にするのである。PKOに参加しようというのであればその位の覚悟は当たり前であり、かつ国連も参加各国の部隊の統率を図るために、その様なシステムの導入を検討すべきであろう。iv)教育ここで言う教育とは、途上国の若者に留学のチャンスを与えて人材の育成を図るといった類のものではない。上に記した活動を国連として押し進めていく過程で必要となる人材を、国連自らが養成していかなければならないという事である。現在国連で働く人のほとんどは公募なり推薦なりで採用された。つまり他の機関で教育を受け経験を積んできた人達である。実際東京に本部を有する国連大学が存在するが、そこでは将来国連で活躍していくような人材の教育を行っていない。単に世界各国の大学や研究機関と提携して構成するネットワークによる国際的な学者・研究者の共同体で、既に功なり名を挙げた知識層の人々を有する諮問機関的な役割を持つのみだ。どうも国連はそういった知識層の人々によって都合のいい様に取り扱われ、国際平和の名のもとに彼等の利益につながる事ばかりに予算が使われている気がしてならない。どうしてもっと将来国連を支えていく若者を自ら育成しようとしないのであろうか。将来そういう方向に進みたいと考えている若者は世界中に数多くいることだろう。日本でもこのところいくつかの国立大・私立大で国際開発学科等が新設され人気を集めている。また、医学や農林水産といった分野の学生にも、将来的に国際協力の分野で働きたいといった人間が数多く見られるようになってきた。国連はそういった学生をこそリクルートし、教育し172