ブックタイトル佐藤栄作論文集９～１６

概要

佐藤栄作論文集９～１６

PKOは紛争解決のために必要欠くべからざる組織であり、各国は積極的に参加していかなければならない。しかし、それはあくまでも国連の一組織として行われるべきであり、各国の軍隊が様々な形で介入していくべきものではないと考える。国連として各国からの兵隊を再編成し、同一の訓練を行ない、混成部隊として派遣する様なシステムの導入を検討すべきだろう。生活の改善を目的とする開発援助については、UNDPが各国ODAの調整機関として、OECDとの協調のもと評価・監視といった役割を担っていく事が望まれる。加えてUNEPが環境アセスメントを実施していけば、世界的に一定の基準のもとで開発が進められ、乱開発による自然破壊の減少につながるであろう。国連はまず現在の体制をシェイプアップし、各国との役割分担を明確にすべきである。そして対外関係や外国問題とは別のフィールドで救援活動を安全に展開していける土壌を築いていく事が必要だ。その上でNGOとの関係強化のもと、衣・食・自由を確保し、21世紀には総ての地球人が生から生活を始められる世界に築き上げていければ、国際社会の平和に向けて最初のハードルを飛び越えたと言えるのではないだろうか。166