ブックタイトル佐藤栄作論文集9~16

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概要

佐藤栄作論文集9~16

事務総長だけでなく、国連貿易開発会議(UNCTAD)や世界銀行(IBRD)等を通して、とくに途上国経済に大きな影響力を持っている。その他、国連児童基金(UNICEF)、国連教育科学文化機関(UNESCO)、世界保健機関(WHO)、食糧農業機関(FAO)、国連環境プログラム、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)など、途上国の民衆の生活に直結した活動をしている機関もある。今日、貧困、飢餓、格差、差別、人権抑圧、環境破壊などが深刻な紛争の根をなしていることを考えれば、地球社会の民衆の基本的な生活にかかわる国連の仕事は大変重要である。これらの国連の諸機関は殆ど専ら政府代表と国連官僚とが動かすようなことを改革する必要がある。情報化のより進む21世紀には国連は迅速な情報収集のために、国連大使を各国に置くべきだ。変動する国際情勢に対する国連の機敏な対応を期待するためには情報が欠かせない。特に、米国、旧ソ連のような国は人口衛星を保有し多くの情報を持っていることから考えれば、国連への情報提供が必要であろう。また、国連大学という教育施設を通して、様々な分野にわたって問題解決についての調査や研究を徹底させるべきだ。民族と国連についてエスニック型の民族自決また、民族紛争の多発時代を迎え、どの国もそれぞれ異なる情報があるのは当然であろう。情報伝達の技術の発展は多様な価値観を促している。古くて新しい民族主義の対立や宗教上の紛争がまた燃える兆しをみせている。世界各地の民族問題の共通点について、言語や文化を含む居住権や資源主権をめぐって争ったように、民族問題が領土問題につながった点である。こうした対立を避けるために、各国や各地域は、自ら広地域的なまとまりを理念として掲げた点も共通していた。インドは大陸さながら自国を「多様性の中の統一」、中南米諸国は「一つのラテンアメリカ文化」、ECの完全統合は「国境なき欧州」の表現を使っている。現在の民族運動は、第一次大戦後オスマン・トルコ帝国、ハプスブルク帝国、ロシア帝国といった大帝国崩壊の「解体型」、20世紀の民族国家誕生の「統合型」、114