ブックタイトル佐藤栄作論文集9~16

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概要

佐藤栄作論文集9~16

第10回最優秀賞「二十一世紀を目前にした国際社会の真の平和の達成に寄与すべき国連の役割はどうあるべきか-特に地域(Region)、国家、民族、非政府間組織(NGO)個人等と国連の関係のありかたについて」21世紀はどんな時代だろうか、なかなか予測しがたい。めまぐるしく変化している国際政治はまだ方向性が見えてこない。果たして国際関係が期待通りに対立から協調に向かうだろうか。現在、国連機能の強化で各国が政治及び経済政策の協調を図っているが、関税と貿易に関する一般協定(GATT)体制下での経済政策の協調が可能であろうか。先日の東京サミットを見ても、各国は国際貿易や財政赤字で内向きになりつつあるようであるし、地球全体のことより国内問題を優先し、ますます国際摩擦を引き起こそうとしているようにも思える。国益の対立や利害関係の顕在化は経済ブロック形成を助長することになりかねない。特に二国間の国際関係が自由経済を歪めてしまいそうだ。21世紀には相互依存関係が深まり、お互いに協調しなければならぬ、いわゆる「共生」の時代だと言えよう。国際平和を維持し、紛争を防止また解決するために、国連はどういう役割を果たすべきか。とりわけ、新秩序をつくる上で国連の国際的役割は何であろう。国連は新しい秩序における自らの位置づけを改めて認識しなければ、国際社会でそれにふさわしい貢献をすることはできまい。モンコン・スィンソムブン新秩序の国連の位置づけ米ソの勢力争いで世界が二極分化されていた当時、イデオロギー対立での紛争が南米からアジアまで広がった時、国連は無数の市民を戦火から救うことができず次第に形骸化に瀕していた。90年代に入りソ連邦の解体、ベルリンの壁崩壊、EC統一という劇的な変化109