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概要

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第8回優秀賞カウンター・グループの有効性と問題点が明らかにされた。これをアイデンティティの危機と対立的な感情に根ざす国際紛争場面に適用していくには、国連大学における研究と実践による理論の精微化、技法の洗練・整備が必要であろう。その上で、世界的な普及を目指さねばならない。そのためのモデルを以下に述べてみる事とする。エンカウンター・グループの実施において最も重要かつ困難なのは、洗練されたフ7シリテータ-の養成である。問題が入り組み、感情が激しく複雑になるほど、メンバーの体験についていくこともそれを受け止めることも容易ではなくなる。ましてやメンバーの自己観察を手助けするのは容易ではない。そこでフアンリテ-クーに必要とされるのは、1)メンバーの感情-の共感能力、 2)その感情を生み出すものが何かを(主としてアイデンティティの危機に着目しながら)認知する分析能力、 3)それを相手やグループにフィードバックするコミュニケーション能力である。また国際紛争場面に介入していくためには、 4)多様な個人・民族.歴史についての知識というものが要求されるであろうo従来のエンカウンター・グループの訓練においては1)が強調され、 2)、 3)が弱かったと思われる。以上から国連大学においては第一段階として、(むアイデンティティ危機という視点を持った精神分析的アプローチや国際政治学・国際関係論の専門家の力を借りて、グループ・フアンリテ-クーの訓練を行う、(勃極度に対立的でない異文化間状況の下でエンカウンター・グループを実施し、訓練の成果を実証していくという二つが必要であろう。具体的には、大学における留学生とその国の学生のエンカウンター・グループ、社会的問題をはらむものとしては、各国で増加しつつある移民・難民とその国の国民とのエンカウンター・グループなどが実施可能であると思われる。実施においては、訓練の成果の実証と同時に、訓練方法の改善に必要な情報も得られるだろう。第二段階としては、実証結果を基にエンカウンター・グループが国際関係・異文化間紛争-の介入になぜ有効かという理論化を行い、更に技法の整備をしてフアシリテ一夕-の訓練体系を確立させる。理論化に宙いては、やはり、国際政治学や国際関係論、歴史学や979