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概要

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的な主体性によって行なわれた。ロジャースはこのことに関して、「1グルーブが和解-と前進するだけでは、ベルファストの殺害を止めることはできなかった。それは当然のことだが、もし1,000か2,000のグループが存在していれば-・」と述べ、「そのような状況もたらすために必要なのは民衆の意思と、- (促進する側にとって必要なのは)少数者の憎悪と苦痛と恨みの世界に(傾聴によって)感情移入的に入り込むことであり、その世界を、理解可能で受容しうる現実の16)一部分として知ることである。」と述べている。この他にロジャースは、米国のカーター大統領、イスラエルのベギン首相、エジプトのサダト大統領によるキャンプ・デイビッド会談が、集中的な政治的討議と、その合間の個人的なくつろいだつき合いの中から2国間の対立の雪解けと和解-の道が生まれたことを取り上げ、これが現代政治の現実の中で起こったエンカウンターの好例であるとした。これに励まされたロジャースは、1985年にオーストリ7のルストで「中央7j y力の挑蔓故」と名づけたワークショップを主催した。そこではコスタリカの副大統領、オーストリアの外務大臣、ベネズエラの前大統領、ニカラグアの駐在大使、そのほか何人かの欧米の政治家、そして各国の経済界の人間を集め、エンカウンター・グループ方式による会議を行17)い、最後に共同声明を発表している。このようにエンカウンター・グループは、紛争や報復の根底にある対立的な感情に働きかけることのできる方法ではないかと考えられる。この方法がアイデンティティの危機に端を発する国際紛争に有効に介入する手段であり得るか、次章において臨床心理学の方法論という見地から検討を行う。第四章臨床心理学の方法論-エンカウンター・グループの有効性-臨床心理学では人間を自己(主体性) ・感情・認知(情報処理)の三つの機能からなる976