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概要

satoh

にたって運動を展開し、70年代の後半から日常性の中で生じる社会的問題や、人種間、宗教間、国際間の対立の危機に、直接介入する形でエンカウンター・グループの経験を生か14)そうとする方向に進んでいった。15)彼は自分たちの試みの成果を「異文化間の緊張解決」と題して報告しているが、その中から二つ事例を紹介する。一つは米国ワイオミング州にある人口9,000人の小さなコミュニティにおける、人種間題についての緊張・葛藤の緩和の事例である。この町には人口の25%を占めるチカーノス(メキシコ系アメリカ人)と、75%のアングロス(イギリス系アメリカ人)が住んでいた。アングロスは「町には表立った差別は何もなく、すべてうまくいっている」と主張し、チカーノスは「差別があり相手が何もしてくれていないからだ」と考え、両者は激しく対立し、双方とも相手に対する感情を馨積させていた。その町の牧師の依頼を受けて現地に赴いたフアシリテ一夕-らは、コミュニティの各下位集団全てにまたがるように(アングロスとチカーノス、一経済的上層.中層・下層、男性と女性というように)、 9人のリーダーを選びグループリーダーとしての研修を行った。次いで彼らをリーダーとL、 8人から15人を1グループとした9グループが設定された。そのグループはそれぞれ遇に1回の割で、12遇会合を持った。その他にグループによっては任意の会合を開いたが出席は義務ではなかった。それらのグループのメンバーも各下位集団に所属する者が入り交じるようにした。最初メンバーはリーダーに何かをもたらしてくれることを期待したが、しだいにグループが生産的になるためには自分たちが責任を持って自分たち白身を表現しなければならないことに気づいていった。グループの話題は失業問題や子供達の教育に関することなど、コミュニティの共通の問題が中心となっていった。このグループを通じて最も大きな彼らの発見は、参加者の態度が、文化的背景や年齢にかかわりなく、恩っせいたよりはるかに類似しているということであった。職探しや子供の問題について論じたとき、両地域とも人々の気持ちは同じであり、互vlに驚きと畏敬974