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概要

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第1回佳作このような考え方を、開発教育を通して先進国の消費者に訴えてゆくことにより、先進国市場を途上国により開放してゆくことができれば、これはまさにグローバルな意味での開発に寄与したと言えるのではないだろうか。さて、もうひとつの観点からも、この開発教育の国際的展望について論じてみたい。それは「もうひとつの開発」anotherdevelopmentという考え方に智接に関連している。従来、開発のモデルと言えば、西欧かアメリカ流の暮らし、生活水準であった。今まで途上国の人々でさえも、文化的水準、生活のレベルの向上と言う時、そのようなモデルを無意識にも思い浮かべていたのである。しかし、最近この傾向は必ずしも一般的ではなくなってきた。人々はようやく欧米のそれが必ずしも開発のモデルではなく、たい-んなエネルギー消費塾の文明であり、そこで人々が必ずしも幸せでないことを認識し始めたのである。ここで、今までの欧米の発展とその基本にある考え方を相対化し、世界の他の部分-その多くは途上国-忙英知を求めようとする新しい動きがでてきた。このような動きは、ヨーロッパにおいても見られ、昨年の秋に出版されたR.GaraudyのHAPPELAUXVIVANTS"という著作はその代表であろう。Garaudyは既存の開発のモデルを徹底的に批判し、「西欧人(約2億5000万)は4億人のインド人農民より多くを消費し、しかも、その上、公害を発生している」とその浪費注13)のシステムを強く非難する。そして、彼は、「盲目的成長の西欧モデルにとってかわるモデル」を見つけるために他の文明、文化においてとられた選択を見てみる必要があるので注14)はないか、と考える。こうして、彼は異文化間の対話の重要性を主張するのだが、このような対話が西欧人にもたらす意義を次のように捉えている。「(異文化間の対話は)、西欧注15)人に自分たちに固有の文化の相対性の感覚を与える変形的な経験である.」Garaudyのこのような考え方は、一方において欧米人に自らを見直させるものであり、他方に宙いては途上国においてその内発性を再認識させるものであろう。この内発性こそ途上国の今後の発展のための大きな鍵であると思われる。従って、途上国において、江13)RogerGARAUDY.HAPPELAUK VIVANTS"pp.15珪14)ibid.PP.64珪15)ibid.PP.221、222 95